研究についてRESEARCH
東北大学病院リハビリテーション科では、幅広いテーマのリハビリテーション医学に関する研究を行っております。大学院生の職種は医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、健康運動指導士など多種多様であり、留学生の数も多く、多角的な視点から学べる研究室となっております。共同研究は、東北大学病院の他の診療科はもちろん、他の大学病院や専門病院、関連企業と連携しております。
臨床研究
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呼吸リハビリテーション
呼吸リハビリテーションは、呼吸器疾患患者における疾病の進行予防・管理を行い、患者のADLとQOLを向上させ、社会活動の維持を目指します。排痰法や呼吸法、ADL訓練、在宅酸素療法指導などを行い、特にセルフマネジメント教育を重視しています。本邦では2006年に保険診療において疾患別リハビリテーションとして呼吸器リハビリテーション料が新設されました。
当教室では、COPDや間質性肺炎患者を中心に入院での包括的呼吸リハビリテーション診療をしております。そのような慢性呼吸器疾患患者の運動耐容能、嚥下機能、咳反射に関する研究・発表を行っております。
当院は東北・北海道では唯一の肺移植実施施設となっていることもあり、肺移植患者さんが多くいらっしゃいます。そこで肺移植患者の身体機能や日常生活動作(ADL)、QOLについて研究をしております。
近年ではCOVID-19感染症患者に対する報告も行っております。
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フレイル・サルコペニア研究
フレイルやサルコペニアの発症機序やその予防法・介入法を研究します。呼吸筋のサルコペニアの研究においては疾患の発症や死亡との関連を報告してきており、分子生物学的手法から、マルチオミクス解析、疫学的手法まで、多層的にフレイル・サルコペニアに取り組んでいます。
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歩行解析研究
3次元動作解析システムを駆使し、さまざまな病態の歩行解析を行っています。その詳細な解析からリハビリテーション治療の手がかりを見出す研究でこれまで大きな成果を上げてきました。

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義肢装具研究
新しい義肢や装具またはそれらを使ったリハビリテーション法の開発をしています。医工学連携としての研究を行い、産学連携のベンチャーの創出などを目指します。
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感覚刺激研究
様々な感覚に関するリハビリテーション法を開発して、それをリハビリテーションの本来の目的の人間復帰に応用していく研究です。先進的な研究であり、今後の大きな成果が望めます。

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神経筋疾患の運動・代謝・呼吸・脳可塑性の解析
ロボットリハビリテーション、精密代謝解析、呼吸筋力測定、fMRIなどの脳機能画像解析を組み合わせて、運動療法が引き起こす効果について科学的に分析し、オーバーワーク(過負荷)の問題にも取り組みます。
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心臓リハビリテーション
心臓リハビリテーションは、心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し、基礎にある動脈硬化や心不全病態の進行を抑制あるいは軽減し、再発・再入院・死亡を減少させ、快適で活動的な生活を実現することを目指します。本邦では2000年から日本心臓リハビリテーション学会による心臓リハビリテーション指導士認定が開始され、2006年に疾患別リハビリテーションとして大血管疾患リハビリテーション料が保険診療において算定可となり、現在では心臓リハビリテーションは広く周知されています。
当教室では、心臓リハビリテーションの効果の検討や心疾患患者の身体機能ならびにQOL(Quality of Life)の評価を行ってきました。心臓再同期療法装置(CRT-D)や植込み型除細動器心不全患者における身体活動量と入院率との関連(Yanagi H, J Rehabil Med, 2020)、高齢心臓外科手術患者のせん妄とフレイルならびに軽度認知障害との関連(Itagaki A, J Cardiol, 2020)、左室補助人工心臓(LVAD)患者のQOL調査(Suzuki F, Tohoku J Exp Med, 2022)など研究・発表を行っております。
当教室に入局した際には心臓リハビリテーション指導士取得も可能です。
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腎臓リハビリテーション
日本腎臓リハビリテーション学会ガイドラインにおいて、保存期慢性腎臓病(CKD)患者や透析患者への運動療法は推奨または提案されています。本邦ではCKD患者の高齢化とともにサルコペニアやフレイルの合併例が増加しており、運動療法の重要性が増しています。
当教室では、腎臓リハビリテーションの効果を明らかにすべく、急性心筋梗塞患者後患者の身体活動量と腎機能との関連(Sato T, J Cardiol, 2021)、透析患者への電気刺激療法効果の検討(Homma M, J Clin Med, 2022)など研究・発表を行っております。
当教室、腎臓リハビリテーション学会、サスメド株式会社と共同でCKD患者向けの運動療法用スマホアプリの開発に注力しており、製品化を目指してアプリの臨床研究を行っております。 -
肝臓リハビリテーション
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療において、運動療法を含めた生活習慣の改善は第一に行うべき治療方法です。
NAFLD患者に対する包括的リハビリテーションの有効性を検討する研究を行っております。 -
がんリハビリテーション
がん患者では、がんの進行やその治療の過程で機能障害を生じることで、ADLとQOLの低下に至ってしまいます。当教室では各種がんの周術期、化学療法、放射線療法、緩和ケアに対するリハビリテーション診療を行っています。
入院治療が長期化してADLが低下しやすい造血幹細胞移植患者において、運動療法の効果を身体機能や運動耐容能評価にて検討しています。 -
摂食嚥下障害リハビリテーション
摂食嚥下障害の原因は、脳血管障害、頭頚部がん術後、薬剤性、心因性など様々ですが、近年サルコペニアに伴う摂食嚥下障害が問題となっており、その治療には嚥下リハビリテーションと栄養介入が必要です。
サルコペニアと関連のある認知症,慢性呼吸器疾患,心不全など各種疾患と嚥下機能との関係(Yokota J, PLoS One, 2016)について研究を行っております。
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肥満リハビリテーション
肥満症患者さんに肥満減量手術や膝・股関節症の術前減量のため、入院リハビリテーション治療を行っております。足腰への負担を少なくするために、水中トレッドミルを用いた有酸素運動を積極的に実施しております。また、2型糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、肥満心筋症などの合併症患者に対する減量入院を行う場合もあります。
肥満患者における呼吸機能や身体機能、運動耐容能への減量効果の研究・報告を行っております(Takahashi T, Tohoku J Exp Med, 2017)。 -
介護
介護関連の研究も行っております。小規模多機能型居宅介護において、公園清掃や商店街での買い物などの地域参加を促進することで要介護高齢者の参加や活動が増加しました(Baba Y, PLoS One, 2021)。
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自律神経
芳香療法や音楽療法、骨格筋電気刺激の自律神経への影響、心拍変動による嫌気性代謝閾値の決定など心拍変動解析装置を用いた研究を行っております。
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スポーツ医学
競泳において、ストリームライン姿勢(水の抵抗が小さい流線型の姿勢)では、浮心と重心の距離が離れていると下半身が沈む方向にかかる力が大きくなり不利となります。ストリームライン姿勢時の体幹内臓器の頭側移動により浮心-重心間距離が減少することをMRI画像解析にて明らかにしました(Yoshida N, Sci Rep, 2020)。このスポーツ医学研究は泳力の向上に役立つと思われます。
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遠隔医療
Web会議ツールを用いたオンラインヨガと対面ヨガの運動強度の比較検討、CKD患者向けの運動療法用スマホアプリの開発など遠隔医療に関する研究を行っております。
基礎研究
下記病態モデルに対する運動療法の効果の研究を行っております。
- 食塩感受性高血圧モデルラット
- 高血圧自然発症ラット
- 5/6腎摘除慢性腎不全モデルラット
- 多発性嚢胞腎モデルラット
- 肥満モデルラット
- 糖尿病モデルラット
- 心筋梗塞モデルラット など

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リンパ浮腫に関する基礎研究
リンパ管の正常解剖や炎症や癌による病的変化を解析しています。これらの変化によりリンパ管の間質液吸収能力や輸送能力が低下し、浮腫が悪化すると想定しており、病態の解明を進めています。これらを患者さんに還元しリンパ浮腫の根本的治療法や癌免疫療法の免疫力強化等に結びつけていく方針です。

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神経筋疾患に関する病態・治療研究
リハビリテーション医学の視点からも神経筋疾患は重要な対象疾患であることは言うまでもありません。患者由来iPS細胞や筋芽細胞などの生体リソースを用い、近接依存性標識法・プロテオミクス・空間トランスクリプトーム解析・リボゾームプロファイリングなど最新の解析手法を適用し、病態解明を進めていきます。また東北大学では遠位型ミオパチーの世界初の補充療法の創出に成功しており、新規治療薬とロボットリハビリテーションなどの先進医療をどのように融合するかが重要なテーマです。難病に取り組み、その解決策を嚆矢とし、障害を抱えていても生きやすい社会を作って行きたいと思っています。

ラボライフ
研究の関心領域は様々でリハビリテーション医学のすべての領域、特に呼吸・心臓・がん・腎臓・肥満など内部障害、摂食嚥下、義肢装具、味覚研究、動作解析、リンパ浮腫、フレイル・サルコペニア、神経筋疾患などの臨床研究からリンパ管・骨格筋・運動ニューロンなどの分子病態研究など多岐にわたります。大学院生がそれぞれの研究テーマを尊重して議論しあい、指導教官と一緒にリサーチクエスチョンに落とし込み、一歩一歩研究を進めています。教授以下、教官と大学院生が同じ部屋で過ごし、いつでも声掛けできる和気あいあいとした雰囲気です。海外から留学生を受け入れており、国際色豊かな研究室です。各出身地域の料理教室が開かれるなど、異文化交流も大切にしています。東北大学の理念である「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」を地で行く研究室です。大学院博士課程進学希望の方はご連絡ください。
Our research interests span all areas of rehabilitation medicine and are highly diverse, encompassing clinical research in internal disorders such as respiratory, cardiac, cancer, renal, and obesity-related conditions, as well as dysphagia and swallowing, prosthetics and orthotics, taste research, motion analysis, lymphedema, frailty and sarcopenia, and neuromuscular diseases, in addition to molecular pathology research focusing on lymphatic vessels, skeletal muscle, and motor neurons.
Graduate students mutually respect one another’s research themes, engage in active discussion, and work closely with their supervisors to formulate precise research questions, advancing their studies one step at a time. The laboratory maintains a warm and collegial atmosphere, where the professor, faculty members, and graduate students share the same space and are always available to one another.
We welcome international students from several countries making our laboratory a diverse and internationally vibrant environment. We place great value on intercultural exchange, hosting cooking classes featuring cuisines from students’ home regions, among other activities. Our laboratory embodies the founding principles of Tohoku University: “Research First,” “Open-Door Policy,” and “Respect for Practical Learning.“
Those interested in enrolling in the doctoral program are encouraged to contact us.

